事故を起こしたドライバーが運送会社を辞める理由。その時何ができるのか。

運送業の需要が高まる中、ドライバーの事故率が急増していることはニュースでも取りあげられるほど問題視されています。

事故の防止は運送業界全体の課題といえるでしょう。
ドライバーの事故は会社や業界の信用に関わるだけでなく、事故を起こしてしまった働き手の離職に繋がる可能性もあるためです。

今回は運送業界の事故とドライバーの離職にはどんな関係があるのか。
本当に辞めなければならないのか。

自身も、高速道路90km、大型トラックでの大事故を起こした経験を持つ、アンビシャス代表の深瀬に聞きました。

事故を起こした運送会社のドライバーは、どうしても辞めることを考えてしまう!

事故を起こした運送会社のドライバーは、どうしても辞めることを考えてしまう!

結論からお伝えすると、事故を起こしてしまったドライバーは離職を考える傾向にあります。

「誰かを傷つけてしまった」という罪の意識や後悔は当然ドライバーの精神に負担がかかり、仕事を続ける未来が見えなくなります。

ここでは実際に、過去に事故を起こしてしまったドライバーの例を2つ紹介します。

どちらのドライバーも事故後に相当なストレスを抱えてしまっていることがお分かりいただけることでしょう。

[事例1] 軽貨物ドライバーAさんの事故

運転指導で助手席に同情する、「横乗り」のご依頼をいただいた軽貨物配送の会社様。
軽貨物ドライバー(Aさん)の事故の例です。

Aさんは青信号になったため、ゆっくりとアクセルをかけていたところ、
小学生が信号を無視してキックボードに乗って、下り坂を降りてきて、横断歩道が赤信号にも関わらず道路に飛び出してきました。

Aさんは安全運転に対する意識がもともと高かったため、幸い飛び出してきた子どもは転倒のみで済みましたが、”子どもにぶつかってしまった”という事実はAさんに重くのしかかります。

事故の翌日、私がAさんを訪ねたところ、仕事を続けられるか危ぶむほどにひどく落ち込んでいらっしゃいました。

慎重な運転を心がけていたにも関わらず事故を起こしてしまった…
安全運転意識が高い方こそ、事故後のショックも大きくなってしまいます。

[事例2] 代表・深瀬が経験した事故

事故を起こしたのは、大手運送会社で管理職を勤めていたころ。

無事故無違反で業界20年目というベテランのトラックドライバーだったのですが、居眠り運転で乗用車にぶつかってしまったのです。

90キロで走行していた高速道路の大事故だったにも関わらず、幸いにして相手の方は軽症で無事、「一生の運を使い果たした」と思っています。

事故を起こしてしまった瞬間、頭によぎったのは恐ろしいほどの後悔と恐怖。

「生きているか…血だらけかも知れない…」そんな考えが頭の中で渦を巻き、被害者の方が無事かどうか分かるまで、気が気ではありませんでした。

相手方が道路脇に座っていらっしゃるのを見て安心したのも束の間、その後はすぐに警察の現場検証が始まります。

13~14時に起きた事故で、警察署から帰ったのは夜も更けてから。

さらに翌日は当時の会社の安全管理責任者と二人で被害者の方々へのお詫び。

自分が引き起こした事故のせいで、事故に遭ったご本人だけでなく、その方の会社やご家族、さらに自分の会社の責任者にも迷惑をかけている…
事故当時、申し訳なさと、管理者でありながら事故を起こしてしまった後悔とに押しつぶされそうになり、現実から逃げたいという思いがよぎりました。

それでも辞めずにいた理由。運送会社で事故を起こしたドライバーに、どう声をかけるべきか。

それでも辞めずにいた理由。運送会社で事故を起こしたドライバーに、どう声をかけるべきか。

それでも尚、処分を受けても運送会社に残り、働き続けることができたのは、なぜだったのか。
そこには所長や同僚、周囲からのサポートがありました。本当に救ってもらいました。

「大丈夫か。」
「事故を起こしてしまったことは変えられない事実。ただ、この後が大事なんだ。」
「誰も亡くならずに済んだのは奇跡だ。事故を起こしたからこそ、伝えられることがあるんじゃないか。」

会社の上司や同僚からのこうした励ましに助けられ、
「こんなに自分のことを想って心配してくれる人達がいるんだ!」
「逃げてはいられない!」
という意識に変わっていきました。

運送会社にとって、事故は最も防がなければならない課題です。

責任を背負い、後悔し、落ち込んでいるのは、事故を起こしたドライバー本人。
会社の雰囲気が悪くなってしまうと、ドライバーはさらに精神的に追い詰められてしまいます。

事故を起こした当人を責めるだけでは、何の解決にもなりません。
事故のたびにドライバーは会社を去ってしまうでしょう。

その時!会社や周りの人たちがどう接するか!
普段から、気さくに声を掛けられる、相談できる人間関係が築けているか!

そこが事故後のドライバーの離職を左右する大きなカギとなるのです。

辞める原因を考え、「改善」していこう!運送会社の事故防止になる3つの予防策

私はこれまで、自身が大きな事故を経験し、事故後に辞めるドライバーを数多く見てきました。

自らの経験をもとに、運送会社の事故を防ぐためには、日頃から以下の3つを実践することが重要だと提唱いたします。

1.ドライバーの身体をしっかり休める

私が事故を起こしてしまった際、外部の安全対策機構の方にヒアリングいただく機会がありました。
事故が起きた時には、表面の事象だけを見るのではなく、必ず「真の原因」を突き止めるのです。

私のケースで導き出されたのは、「事故の真の原因は”体調管理にあり”」ということでした。

当時の私は毎日のように、同僚とダラダラと遅くまでデスクワークをしておりました。
「上司が帰らないと帰れない」という社内の雰囲気もありました。

毎日しっかり休めていれば、運転中に居眠りするほどの眠気に襲われなかったかもしれません。

これはあくまで私のケースではありますが、特に昨今のドライバーはあまりの忙しさに不規則・不健康な生活になりやすいのも事実。

ドライバー自身の健康は、無事故の基礎といえるでしょう。
本人だけでなく、ここにどこまで会社や上司が関われるかです。

2.毎日の声かけ(点呼)

ドライバーに毎日直接声掛けすることも、事故を防止するのには非常に効果的です。

例えば朝の点呼の際、1人ひとりに挨拶をし、「今日調子どう?」と声をかけるようにしてみてください。

毎日顔を見て会話を交わせば、自ずとドライバーのちょっとした変化に気が付けるようになります。

人間、誰しも生きていれば毎日色んなことがあります。仕事でもプライベートでも。ドライバーの心身の調子によって、運転に集中できないこともあるでしょう。

そうした日々の変化を見逃さず、いつもと違うと感じたならば、「大丈夫か?」「何かあったか?」と声をかける。

無理して出勤している可能性もあるため、事故防止のためにも会社側が積極的にドライバーの様子をチェックすることをおすすめします。

3.ドライバーにとって身近な存在をつくる

昨今の急激な需要やお客様からのご要望に応えるべく、運送会社は色々な工夫をしたり負担をおっていることでしょう。

その中で、毎朝の対面点呼を省略し、電話やLINEで報告を済ませている会社があるのも事実です。

限られた資金の中で運行管理やドライバーを確保し、経営しなければならない…
小規模な運送会社にとって、人や体制に投資できる金額は非常に限られています。

出勤時間がそれぞれ違うドライバーに合わせ、24時間体勢で運行管理を待機させることは現実的ではありません。

しかしそうなると、ドライバーと直接対面して会話したり、体調をチェックする機会がなく、事故を未然に防ぐことは難しいでしょう。

ただでさえドライバーは孤独な仕事ですから、会社との接点がないままでは、知らずしらずの内に事故を起こす可能性が高くなってしまいます。

「ドライバーとなかなかコミュニケーションがとれない。」
「電話やLINEでしかドライバーと会話しない。」

こうした悩みを抱える運送会社は、ぜひ窓口となる人を用意してください。

社内であれば運行管理責任者が適任といえますが、難しい場合は信頼できる外部の第三者に頼るのもおすすめです。

孤独な状態は1人で抱え込んでしまいやすい状態ですから、普段身を置く仕事上で他者との繋がりを持つことは、
ドライバーの心身の健康を向上させます。

”自分の味方”と思える存在が近くにいれば、ちょっとした不安や悩みをすぐに解決でき、仕事=運転に集中できるようになるのです。

ドライバーにとって身近な存在が早い段階で会社にいれば、仕事中の事故も起きにくくなるでしょう。

運送会社の事故防止&事故後に辞めるドライバーを一人でも少なくしたい!

運送会社の事故防止&事故後に辞めるドライバーを一人でも少なくしたい!

時間帯や周りの状況など、ドライバーの技術によらない原因でも事故は発生してしまいます。

実際に大きな事故を起こした経験があるからこそ、私は”当事者だから伝えられる事がある”と、指導を提供しています。

安全運転指導や事故後のドライバーのケアは社内だけでなく、第三者の目線を取り入れることも非常に有効な手段となります。

ドライバーや社内の安全運転教育に関することは、ぜひアンビシャスにお気軽にお問い合わせください!

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